【座談会】Rupurizu×Oavetteツアーを振り返る
先日開催されたRupurizu×Oavetteツアー。
ツアーの模様や2バンドのこれまで・これからを語った座談会の様子をお届けします!
RupurizuとOavetteのツアーを振り返りRupurizu中川、Oavette為井、
リリース元レーベルのSAY HELLO TO NEVER RECORDINGS藤本、
TOKEI RECORDS山内の4名で振り返りのオンライン座談会を行った。
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– Oavetteのやっている事は1つのジャンルになりうる –
藤本:今回はRupurizuのリリースツアーとして計画しましたが、結果OavetteのLPリリースツアーともなり、新宿ナインスパイスから富山、京都、 名古屋、台湾、東京と全6本を一緒に回ったわけですが、 まず最初にRupurizuとOavetteがどこで邂逅したのか気になる方も多いのかなと思い、その辺りから双方の馴れ初め含めて聞いていければなと思います。まず私の記憶だと21年にStiffSlackでやったSummerMeetingの時に、森くん(Oavette:Ba)が来てたんだっけ?
中川:そうそう、森くんが来てました。
藤本:あの時はquiquiも出てたので同じ界隈なんだって言う話をしてて、その後翌年に名古屋でOavette企画に呼んでもらう事に進むと思うんですけど、その辺詳しくお願いします。
中川:そもそも2019年にOavetteがEPを発表してすごい気になってたんですよ。で2021年のSummerMeetingの時に森くんが見に来てて話をさせてもらってCDを渡して、そしたら翌年にまさかの呼んでもらえるという事になりまして。そこから本格的に急接近したって感じですね。
藤本:どういうタイミングで認識したの?
中川:どういうきっかけだったかもう覚えて無いけど、最初のEPをサブスクで聴いて凄いバンドが出て来たってことで、番長(Rupurizu:オリジナルBa)と共に盛り上がったのを覚えてます。
藤本:ちなみにRoleとのスプリットが出たのはいつになるんだっけ?
山内:あれは20年、21年とかそれぐらいだったような気がするんですが、、、(うろ覚え)
藤本:確かそれのトレーラーがTwitterで上がってて、私も気になって山内くんに連絡を取って送って貰ったんですよね。
山内:はい、DMした記憶がありますね。
中川:なのでEPから入り、Roleとのスプリットは待望の新作、ってことで期待してました。
藤本:為井くんのRupurizu認知は、SummerMeetingに来た森くん伝いみたいな感じ?
為井:いや、僕も元々知ってて、多分Twitterだったと思うんですけどサブスクで聴かせてもらってかっこいいと思ってて。バンド内でもライブに行く途中の車とかで聞いてたり。で森さんからサマミに出るよって聞いて会えたら会ってくるわみたいな感じで、コンタクト取ってもらったのが最初ですね。
藤本:お互いバンドとしての共通項ってやっぱり「ミニマル」とか「インスト」ってところなんだけど、同じ括りでもそう似て似つかわしく無いというか、やはり違かったりするんだけど、互いにどんなイメージを持ちましたか?お互いの印象をちょっと聞ければなと思います。
中川:とにかく初めて聴いた時の衝撃が凄くて、めちゃくちゃカッコいいバンドが出て来たなと思いました。一言で言うと僕の中では完璧に近いミニマルミュージックと言うか、尺から構成からフレージングからリズムパターンから、何から何までとにかく無駄が無い、完璧な仕上がりでものすごく中毒性があるバンドだと思ってます。だからあまり聴き過ぎてしまうとかなり影響を受けてしまうところもあって、なるべく聞かない様にした時期もあったんだけど、でもやっぱり聴きたいなと思って聴いてしまうって感じです。mouse on the keysの川崎さんが「Oavetteのやっている事は1つのジャンルになりうる」って事を言ったのは、僕も本当にそうだなと思ってて、ホントこの手があったのか!って言うぐらい革新的なバンドアンサンブルだと思います。シンプルなドラム、ベース、ギター2人っていう編成なのに、やれる事の拡大性と精密さというか、なんて言えばいいんだろうな、とにかく本当に目から鱗で、この手があったのかって思わせるその手法ですね。とにかく、凄いバンドだなと思ってます。
為井:なんか恥ずかしい(笑)でも僕らがラブコールして愛知に来てライブやってもらったんですけど、ライブ見る前と見た後で結構印象が違って、見る前はなんかきっと大人がやっているミニマルでかっこいい、ちょっとスカした感じなのかなって最初思ったんですよ。なんせ曲がすごい洗練されてると思うし、僕らには作れないコンセプチュアルな感じがあって。でも実際観てみたら全然違って圧倒的な演奏力ともっと音源よりバンド然としてて、さっき言ってた感じと逆の泥臭さも感じるって言ったらおこがましいんですけど、あの音楽性なのにこう演奏してるぞっていう感じが正直僕らには全く無くてそれがめっちゃカッコ良くて。僕らは僕らでメチャメチャ衝撃を受けましたね。曲で言うと同じ反復をベースにはしてるんですけど、もっと楽器の音を前面に出して、熱いんだけども一方で淡々としたノリ、機械的なノリを活かしててそのバランスが取れた感じがやっぱり凄いなって、今回もツアー全編等してずっとそう思ってました。地の演奏力と曲の構成力とそのバランスの取り方みたいなのが、真似したいけど真似できないっていう感じですね。
藤本:褒め合いですね(笑)双方バンドにしてアプローチの仕方が全然違うって言うのがすごく面白いなってのは思いますが、本当に僕はOavette観てて狂気でしかなくて、あれを35分ノンストップでやるって言うのが、DJも曲がずっと繋がってるって意味で一緒で、ひたすら同じBPMで踊って行けるのは凄く良いんですけど、 同じテンポにこう、たまに脳がバグるというか、構成の中のフックで自分の脳、肉体が追いつかなくなってしまう時があって、そういう時により狂気を感じますね。本当に俺を狂わせようとしてるのか?みたいな(笑)細部まで聞けば聞くほど本当に良いです。ライブも映像が相まってるから没入感も半端無いっていう。山内くん的にはどうでした?この2つの組み合わせは。
山内:SNSなんかでも言ったんですけど、異なるバンドではあるんですがメチャクチャ親和性があるなと。そしてどっちもバンド映えするなという印象が僕はあって、Oavetteはちょっと謙遜してますけど僕は音源もメチャクチャ良いですけどやっぱりライブがカッコ良いなとずっと前から思ってますし、Rupurizuも初めて見た時、音源で聞いた印象と全然違うライブだったんで、やっぱりそのバンドのキャリアに裏付けされた演奏力と表現力が、やっぱどっちも凄いなと思いますね。
藤本:その後22年に名古屋でやった以来、今度はRupurizuがいよいよアルバムを出すって言うところでナインスパイスでリリースショーをするんですけども、そん時にも真っ先に名前が挙がってたのがOavetteだったと思うんですけれども。
中川:はい。
藤本:ツアーってそもそも単体で行こうとしてたんだっけ?
中川:いや、22年の名古屋に呼んでもらった時に、リリースを我々がした場合東京には是非呼びたいし、出来る事なら一緒に数カ所回ってもらえないかって話をしました。
藤本:そこから1年後に実現したって事ですね。
中川:そういうことです。
藤本:前回2022年の名古屋でやった時はVJが無かったんですけども、ナインスパイス前からVJを導入するようになったって感じですよね?
為井:そうですね。ちょうどその22年の9月のライブで今みたいな話を中川さんと話させてもらってて、絶対1年後にやりましょうみたいな。その約束が決まってから僕らもなんかやりたいなって思ってて、元々VJは興味があったところもあって1年掛けて準備したって感じですね。
藤本:あのテンポに合わせた幾何学模様みたいな感じって、元々最初からコンセプトにあったの?
為井:そうですね。ジャケットとかもそう言う感じですし、普段曲作る段階からなんとなくイメージはそう言う感じですね。
藤本:あれって全部為井くんが作るの?
為井:中身はそうですね。素材自体は色んな所から持って来てるので組み合わせたり動かしたり生成したりとか、そんな感じです。
藤本:ってかVJって言うよりも、PC叩いたらもうそのままスタートするマシンVJなので、今回のツアーで僕も何回かハラハラしながらスタートボタンを押させて頂くって言うか押させられましたが、山内くんも台湾まで行って震える指で押しに行くという。
山内:マジで緊張しますよ(笑)
藤本:あれで全てが始まるって思うとなかなかなプレッシャーだよね。震えます。
山内:震えますよね(笑)
藤本:今後もあのスタイルは続けるの?
為井:どうですかね、一旦は今回やってみてこんな感じだったなって言うところで完結みたいな状態ですかね。あれは映像流してるんじゃなくてMIDIを読み込ませて、その時にリアルタイムで生成してるじゃないですか。 なのでいつかミスるだろうなと思ってて、熱くて熱暴走したり。。。
藤本:ホントPCってそういうのがあるからね。 でも逆にフィジカルの方がタフだったりするから、そうなった時どうすんだろうなっていうのもちょっと思ったりはしましたけど、でも全然大丈夫でしたね。
為井:今回は大丈夫でしたけど次やるならもうちょっと面白いこと考えてみないとですよね。プログラミングからやらないといけないんで。。。。
– 僕らも結構ストイックな方だと思ってるんですけど、Rupurizuも十分ストイックな人達だなと思って –
藤本:では今回のツアーで、トピックがあれば是非教えてください。
中川:僕的には富山の「ゴーストノート」がすごく良かったです。本当に。
山内:ホントですか!?
中川:とても印象に残る日でした。Oavetteとツーマンと言う事もありましたし、雑居ビルの雰囲気からスタジオの窓から出た屋上の開放感とかも、まるで映画のワンシーンに居るみたいだなと思って。 お客さん達も温かったし。
山内:失礼じゃなかったのかなって今でも思うんですど(笑)
中川:いやいやいやいや。あと打ち上げも最高でしたね。
山内:わーありがとうございます!
藤本:あそこの屋上はホント良いよね。でも雨降ったらどうしようかって思っちゃったけど、晴れてよかったよね(笑)そもそも普通にスタジオライブみたいなのをやれたりする環境なんですか?
山内:それがあまりしてくれないですね、地元のバンドが。そう言うのが出来たら良いなって思いを馳せてはいるんですけど。 。。
中川:遊び場として凄く良いと思うんですよ。
一同:はいはいはい(笑)
中川:例えばアコースティックを屋外でやってスタジオでバンドがやってとかは可能だったりするんですか?
山内:おっしゃる通りで、そう言うのも企画しようとしてたんですけど、ちょっと実現には至らなかったんですけど、でもイメージとしては凄いありますね。
中川:あの屋上でアコギやアンビエントライブが出来たら最高だなと思います。あの、ちょっと関係無い話になっちゃうんですけど、2店舗目ってどんな感じなんですか?気になってて(笑)
山内:ありがとうございます。 2店舗目は富山市内の雑居ビルの 2階と3階を利用して、それこそ「REVOLVER」にちょっと近い作りになって。
一同:おー、なるほど!
山内:いや、あんな良い雰囲気はちょっと出せないですけど。
一同:REVOLVERは良かったよね。
山内:ホントに、行った時に「あ!これが理想だ!」と思いましたね。
藤本:そこでも普通にスタジオライブはやっていくんだよね?
山内:そうですね、やって行きたいなと思うんですけど、ちょっとまだ近隣の様子がわからないので、じわじわじわじわ解禁して行こうかなと(笑)なのでまた是非企画したら来て頂きたいなと。
中川:是非とも行きたいです!
藤本:為井くんはどうですか?何かツアー中の思い出とか。
為井:ライブはもう毎回最高でずっと楽しかったんすけど、Rupurizuとずっと一緒に居て、色々メンバーの皆さんとも突っ込んだ話をさせて貰って、とても勉強になりましたし何よりなんかこうRupurizuの皆さんですら試行錯誤してるんだなみたいなのが結構わかってそれが面白かったです。試行錯誤して此処に辿り着いてるんだなって。あとは結構僕らもストイックな方だと思ってるんですけどRupurizuも十分ストイックな人達だなと思って、その辺が本当に良いなぁと思いましたね(笑)
中川:音楽的にやってる事は違うと思うんですけど、同じ目線の人たちに初めて逢えたって言う印象はやっぱあるんですよね。あとそのツアー中の話になるとOavetteを3日連続で見れるっていうその贅沢な3日間だったんですけど、もう1日毎にどんどん良くなって行く、こう、研ぎ澄まされて行くって言うのを目撃出来たのも良かったですね。
藤本:対バンツアーって2日目を過ぎるとグッとユニティ度が増すって言うか、やっぱり3回のショー、3日目でグっと距離が近くなりますよ。そんな3日連続も有り更には海外に一緒に行くって所で台湾公演をやって来たわけですけれども、 さっき会場のREVOLVERが良い箱だったっていう話も出ましたけども、今度は台湾での印象、また同じですけども思い出やトピックがあれば教えてください。
中川:はい、初の海外のライブって事でそれだけでも最高だったんですけど、地方のライブハウスにちょっと似てるっていうか、お客さんのオープンな雰囲気とか、話にも出た1階がバーで2階がライブハウスで自由に出入りが出来たりとかって言う、そして凄く活気があってちょっと立地状況含めて東京だと考えられないような雰囲気で異国情緒たっぷり味わわせて頂いたなって感じです。
為井:僕らも経験した事ないぐらいお客さんと喋ったなと思ってて、結構突っ込んだ話とかどんどんオープンに聞いて来てくださったりであんま喋る機会が無かったんで、そういうの楽しいなと思って。 ライブが終わってからも、何時まででしたかね?飲みに行ってまた帰って来たりとか、みんなで何回バイバイやってたのかは凄い印象深いですね。
藤本:為井くんは外人に囲まれまくってたからね。
為井:そうですね、ホント色々と面白い感想があって面白かったですよ。ライブ中に拍を数えてる人とかもいて「この曲この拍だったんだ」って言う答え合わせをしたりとか(笑)やはり日本では無いですよね。
藤本:台湾の人も、台湾以外の欧米系の人も結構来ててずっと捕まってたよね。そして山内くんも視察を兼ねて(笑)
山内:そうなんですよ、なんですけど、僕もその自分がレーベルやり始めて10年ぐらい経ち 、仲間が海外でライブするってやっぱりそう無い機会だったので視察、視察って言ってましたけど、ほぼ旅行。あと、最初のVJスタートスイッチを押す大役も有りで、でも本当良かったですね。やっぱり皆さんと一緒に何か出来た事もそうですし、普通に海外旅行って言う目的でもあったし、十分楽しかったです。ちょっと弾丸でしたけど。はい、十分。
藤本:今回はOpen時のDJもやってもらいましたけど、もう自分の曲ばっかりかけてたからね、本当に(笑)
山内:いやそれは!(笑)
– 1小節ある中の、どこに音を入れようかみたいな作業 –
藤本:今度はライブじゃなくて、双方の曲の作り方の話や、レコーディングの手法とかについて少し聞きたいと思います。
中川:うちは基本的にワンループ、ワンリフからスタートして、スタジオでセッションを10分とか20分とかやって、それを録っといて後から聞いてそっから抽出するっていうパターンと、自分で1から10まで全部作ってメンバーのフィードバックを貰うパターンとの2パターンですね。レコーディングに関しては制作のベーシストがライブのベーシストとまた別に居まして、基本は制作側のベース(番長)がレコーディングをやるんだけど、今回はライブのベーシストでもあるミキオも10曲中の半分、5曲を弾いてもらい、半分半分でベースが変わってるんですけど、特徴としては番長の方はフレットレスベースで、ミキオは普通のフレットのあるベースなんでその辺ベーシストのキャラクターの違いも含めて良い感じに収まったかなとは思ってます。
藤本:レコーディングって普通にバンドの録り方と変わらず、ベーシックを先に録って?
中川:ベースとドラムを抜いた曲のオケを作ってそれを聞きながらベース、ドラムで「せーの」で録ってギターだったりシンセだったりっていうのをまた持ち帰って家で録ったりエンジニアの家行って録ったりとか、そういう感じですね。
藤本:レコーディングエンジニアは割と固定でお願いするタイプですか?
中川:そうですね、ずっと小林(ストロベリーハウス)って言う昔からの付き合いのエンジニアにやってもらってますね。次も多分彼にやってもらう感じになります。
藤本:どの作品からだっけ?
中川:1stはstimのタイチくんで、その次からは小林なんだけど、 EXITってシングルに関しては録ったのは小林でミックスは俺がやったんだけど、それがまあ凄くこう残念ってか、まぁ素人仕事みたいになっちゃったから、もうミックスもやっぱプロにやってもらった方が良いなってそれ以降は小林で、マスタリングはCalyx Masteringに頼んでって感じですね。
藤本:ありがとうございます。Oavetteは?
為井:僕らはセッションから作るっていうのは絶対無いっすね。 基本全部一緒の作り方で、僕は叩きみたいなのを作って持ってくんですけど、 先にイメージみたいのがあって、あ、こんな曲が作りたいなみたいな。で、ドラムとベースで先にちょっと作って、楽器を自分で演奏して録音してそれを聞いてMIDIに打ち込み直して、 そういう感じです。
中川:それはギターもMIDIに変換するんですか?
為井:そうです、全部MIDIに変換します。1小節ある中のどこに音を入れようかみたいな作業。やっぱり生でやってたりすると、ここに入れようと思ってもそのタイミングでオーバーダブ出来なかったりで。
中川:1つ謎が解けたところですね。確かに僕もリズムパターンを組む時には同じやり方をします。ドラムとベースの噛み合わせ、そのワンループをずっと繰り返しながら、こっちに置いたり、こっちに置いたりっていうのをやったりとかするけどギターもMIDIに置き換えて俯瞰で見る発想は無かったです。
為井:まさに全楽器でやってる感じですね。そして全楽器、色が違うけど全部ドラムみたいなものだと思ってる。その後煮詰まって来たらメンバーに送ってフィードバックを貰って、ここちょっと考えてくれんとか言ってお願いしたりして、最終的にはみんなで形にしていく。で、スタジオに入ってからは、足して抜いて足して抜いてみたいな。生楽器だと鳴りとか違うじゃないですか。特性とかもあるんでそれを加味して、ここ一部抜こうかみたいな、そんな感じで作ってますね。
藤本:Rupurizuもシングルシリーズは同じテンポで作ってたり、Oavetteも同じテンポで一作品みたいなやり方なんですけども、同じテンポの中での抑揚の付け方や実はもうちょっと遅いのやりたいんだけどな、早いのやりたいんだけどなっていうのは生まれたりはしませんか?
為井:僕は制約みたいにしてるんで、BPMだけ変えるんですよ。この日は129で行こうかとか、128で行こうとか。
藤本:え!ちょっと変えるんだ!
為井:変えます変えます。でも、単純で楽ですよ。BPMさえ変えれば良いんで(笑)
藤本:VJもBPM変えてもそれに同期するってことですもんね。
為井:そうです。クリック使ってからマジ楽になりました。
藤本:逆に今までクリック無い状態であれをやったのも凄いけどね。。。
為井:地獄でした(笑)と言うかRupurizuから、中川さんから教えてもらったんで全く同じ機材使ってるんです。
藤本:ちなみにライブによってBPMを変えるってのは対バンによってとかその日のテンションとか「この対バンだから少しBPM上げようぜ」的な?逆にちょっと落とそうぜ、とか、どっちが多いの?
為井:そうですね、ライブによってライブの雰囲気というかメンツとか、録音が125なんで1番遅くてそこからまぁ5、6、7、8ぐらいの中で、結構それで難易度も変わったりするんで(笑)
一同:それはそうだよね(笑)
為井:面白かったのは「TouchDesigner」っていうVJソフトと「Ableton Live」を使って同期してるんですけど、練習とかで僕がLiveでBPM間違えて打った時とかになんか気付くんですよ。メンバーが。BPM1とかの差なのに(笑)やり過ぎて気付く。
藤本:そうかぁ~VJが無かった時代はクリック無しだしね。でも違う要素で曲の途中で止まったりしない?
為井:いや、まあERAでは弦切りましたけど、止まった事は無いですね。なんか僕らも「なかなか止まらんね」って言いながらやってます。
藤本:一度始まったら止まらない。止まらない系バンドだね笑
中川:台湾の時の話に戻るんだけど「ZF」っていう全然今までライブでやってなかった曲を台湾でやって、LPの5曲目から5、6、7、8、1、2、3、4って全て再現したって言うその貴重なとこに立ち会えたってのも凄い良かった思い出ですね。ついに聴けたっ!て言う。そしてあの作品が完結したのを観たって言う。
為井:そんな大事じゃないですけど(笑)
中川:いやいやいやいやいや。大ファンなんで!
藤本:飛行機での機材は大丈夫だった?重量オーバーで超過金を取られたとかペダルが1個ぶっ壊れてたとか、
為井:重量オーバーはありました。
中川:あー、やっぱり。
為井:行きは大丈夫だったんですけど、なぜか帰りはダメで。空港でボードバラして何個かずつ分担して持って貰って。あの時中部国際空港だったら7キロだったのに台湾だと9キロで、重力が違うのかなって(笑)
中川:山内さんは別で来たんですか。一緒じゃないんですね?
山内:いや、一緒の便なんですけど。富山から来たので現地空港集合。いつもバラバラなんで。
中川:僕らは一緒に行って、僕の機材が多かったんで藤本さんに持って貰ったり、PAの山下さんに持って貰ったりバラバラにしてそれでなんとか重量オーバー回避しました。
為井:もうOavetteみんな機材多いんで僕もダイエットしようとしたんですけどね。ダイエットしようとスタジオ何回も入ったんですけど、結局全然抜けなくて。
藤本:やっぱり、抜けないんだ。
為井:これを機会に機材ダイエットして、それこそ藤本さんが以前やられてたバンド(BALLOONS)じゃないですけど、アン直でカッコ良くやろうと思ったんですけど、全然無理でしたよね。
中川:ボードに関しては色々試行錯誤してやっとたどり着いたって事を聞いてて、3人の足元には凄く重みを感じる。
藤本:MVとかで上から撮るじゃないですか。足元がバッチリ映ってたりで結構見られてる人も多くて、あ、こんな機材を使ってるんだみたいなのをたまにTwitterで見かけますね。
– リリースした後のリアクションの方が結構大きく「ほら見ろ!」っていう気持ちはある –
藤本:では締めの方に進みますが、今後のプランみたいなのがあれば山内くんも含めて聞いて行きたいと思います。
中川:5月、6月はメンバーの家庭の事情で活動出来ないんですが、7月にシングル3曲ぐらい録って配信でリリースして、また秋ぐらいにはツアー回れたらなと思ってます。できれば作品のマスターピースみたいのを作りたくて、OavetteのLPは本当にマスターピースだなと思うんですよ。で、僕ら作品数は多いんですけどマスターピースになりうる様なモノが今まで作れて無いって言う自覚もあって、やっぱ数、うちは数出さなきゃいけないバンドなんで、年1で何かしらリリースしてっていつかそこにたどり着きたいなと思ってます。あとこれもOavetteとの話に近いんですけど、ワンBPMって訳じゃないんだけれど、40分ぐらいの尺の1曲をバンドでいつか作りたいって言うのも一応目標としてあります。フィッシュマンズの「LONG SEASON」が凄く好きでいつかあんなのを作ってみたいってのはバンド当初からずっと思ってます。
為井:Oavetteは今日時点で本当に何も未定で、そのうちまたライブとかもやりたいなと思ってるし、曲のストックも僕はいっぱいあるんで、また何かの形で披露して行けたら良いかなと思ってるんですけどね。でもこのツアーを通して色々やんないといけない事もあるなとも感じたので、その辺を全部クリアしてから次って言う感じですかね。
藤本:ある種一区切りみたいなタイミングだった感じですかね。
為井:そうっすね、レコードを出すって言うのは当初から決めてた事なので、それも含め一段落終わったって感じですね。
藤本:レコード出すのは規定路線だった感じなの?
為井:そうっすね、EP1作ってる時から同時並行で8曲があって、レコード好きなんでレコードにしたいよねみたいなこと言ってて。EPも2枚出し終わってレコード作りたいなって時にコウイチさん(山内)に話したら「いいよ!」って言ってもらって。じゃあいろいろ拘るかって「Dawn of Midi」にコメント書いて貰ったりもして。
藤本:流石社長!
山内:ノリだけでやってるレーベルなんで(笑)
為井:凄いなと思って。コウイチさん、ホントに。
藤本:本当にレコードで良かったって感じはしますよね。あれでコンパイルしたCDだとちょっと物足りなく感じてしまうので、レコードで良かったなっていうのは客観的に見ても思います。とは言えねまあ~色々大変だったと思いますけど、その辺山内くん的にはどうでしたか?
山内:為井がやっぱり優秀で、ぐいぐい引っ張ってくれたんですよ。どっちがレーベルの社長かわからないぐらい(笑)今時のバンドってそんな年齢めちゃくちゃ変わるわけじゃないですけど、ちゃんと誰のタスクかシートに書いてやることリスト作って、それ見たらもう「あ、俺これやればいいんだ!」と言うふうにしてくれてたのでなんかどっちが上で従業員かわからない感じ。なのでやり方は凄い参考、勉強になりました。他のバンドにもこれは生かせるなと思って。せっかくOavetteと一緒に何かやってこれだけで終わるの勿体無いなと思うぐらい、すごい楽しかったですね。
為井:コウイチさんとは長い付き合いになりますけど、こんなにしっかりやらせてもらったのは初めてでしたね。
山内:そうだね、うん。
中川:ちなみにざっくりでいいんですけど、どんなやり取りだったんですか?レーベルとしてはやっぱり当初は海外との共同リリースも考えてたんでしょうか?
山内:はい、共同リリースもしくは海外盤って言う事も考えてたので、海外に居る知り合いとかに助けてもらってそういう道も模索したんですけどなかなか共同リリースって言う形では取れなくて、唯一タイのレーベルがタイ盤としてリリースと言う形を取ってくれて、まぁ出来た物を帯だけ変えてって言う形なんですけど、最初のイメージとしては色々な国の盤を出せたらとか妄想で話したんですけど、盤の色だけ変えて~みたいなことをね、色々言ってたんですよ、でもなかなか現実的にはならなくて、 ただリリースした後のリアクションの方が結構大きく、 ほら見ろっていう気持ちはあるんですけど。
為井:言ったじゃんみたいな。
山内:ま、得てして、そう言うものかなとは感じましたけど。
藤本:そのリアクションってやっぱり出したかった、みたいな事?
山内:出したかったって言うよりは、結果海外からの注文がめちゃくちゃ多くて、リリースした後に取り扱わせてくれって言って、ディストロ程度なんですけど。こっちが最初にもっと細かく送れば良かったのかも知れないですけど海外でリアクションが多いのはなんとなくわかってたので、もうちょっとそれぞれの国の方が、 こう、フックアップしてくれても良かったんですけど、それでも彼(為井)が居なかったら結構厳しかったですよ。本当に厳しかったね。あ、でも半分以上は海外で流れたと思う。そんな感じがする。
藤本:再プレスしてもいいかな、みたいな。
山内:為井が最初それは無いって言ってて、俺は別に余裕と需要があればそれもあるかなと思うんですけど、為井は「僕はこれだけでいいんです」ってね。
藤本:言わんとしてる事もわかりますね。
為井:でもあれ、作り方的にも無理じゃないですか?僕らレコードのカッティングをプレス工場じゃなくて「ボブ・ウェストン」のシカゴ(Chicago Mastering Service)でそのままやってもらったじゃないですか。聞きたかったんですけどそのメタルマスターって今どこに有るんですか?
山内:いや、俺も知らないよ。
為井:行方不明ですかね?
藤本:プレス屋にあるんじゃないの?
山内:多分あると思います。
為井:香港にあるって事ですか?
山内:多分。でも1個送って、1個為井のとこに行ってると思ってた俺。
為井:いや、無いんですよ(笑)
山内:え、そうなんや。。。。確認します。
為井:別に良いんですけどね(笑)。メタルマスターもスタンパーもどこにあるか分からないし、あと、ボブにデータで貰うのも忘れてて。物理的にももう再プレスできないのかなと(笑)
藤本:でもリプレス用に一時保管をプレス屋でしてるはずなので、それちょっと突っ込んだ方が良いっすよ。それ勿体無いっすよ。そしてボブのリアルカッティング盤は額に入れて飾っておけるレベルですわ。
為井:そうなんですね。でもなんかその儚さも良いじゃないですか(笑)
– 他のバンドの活躍をエネルギーにしてて、リリースすると自分もそのメンバーになったような嬉しさもある –
藤本:最後に今回のリリースだったりツアーは、コロナが丁度明けるタイミングだったりもしたんですけど、 それぞれコロナ禍の時期って皆さんどういった活動をされてましたか?特に為井くんとか山内くんはこの2020年から2023年の間っていうのはどういう状況でした?バンド的にもレーベル的にも。
為井:僕は丁度その期間はほとんど海外に居た(仕事で駐在)ので、そもそもバンドとしてはあまり活動出来ない期間でしたね。メンバーとはこんな感じでオンラインミーティングで曲作りしてたんで、ちょうど良かったって言えば、ちょうど良かったですけど。
藤本:なるほどなるほど。山内くんは?
山内:僕は結構昔から自主企画を良くやってたので、 イベントが全く出来なかったのはちょっと残念でしたね。途中まで計画しても頓挫したりが結構あったので、それはちょっと今までずっとやってきた事から違った3年間だったなって言うのはあります。でもスタジオを運営しだしてから、 結構みんな練習する場所を探しているんだなと思って、たまたまコロナ禍って言うのもあって、最初の方は全くダメでしたけど、途中から結構リハーサルに入ってくれる人が居るのを見て、結構みんなやっぱり、なんて言うんですかね、バンドしたいんだなって。こう抑制されてるから余計だと思うんですけど、それも感じる事が出来てスタジオしてて良かったなって言うのはありますね。結構県外から合宿みたいな感じで来てくれたりとか、それこそquiquiも寝袋持って来て泊まってみたいな事はしてましたけど、 遠い所から見てるだけでも結構良い経験させてもらったなと言うところがあります。
藤本:レーベルの方はどうでしたか?
山内:レーベルの方はリリースはそんな止まる事は無かったですね。幸いにも結構みんな自分達で何でも出来ちゃう人が周りにも多いので、コンスタントにリリースはしてたのかなと。ただやっぱりリリースパーティーとかは出来なかったりって言うのは多少ありましたけど。
藤本:確かにライブですよね。まあでも山内くんの場合は本当、スタジオの運営の仕方がちょっとコロナ禍寄りだったりもするんだけど、結果それが功を奏したみたいな。
山内:そうですね、はい。
藤本:それが2店舗目につ繋がる要因の1つでもあるんだろうな。逆にTOKEIの今後の野望みたいなのはありますか?。
山内:そうですね、為井が面白い事をしてくれるのに着いて行こうかなっていう気持ちはあるんですけど(笑)僕自体はちょっと自分のバンド(interior palette toeshoes)は今お休みしているので、他のバンドの活躍をエネルギーにしてるところも実はちょっとあるんですよね。なので他のバンド、所属してるバンドがリリースすると自分もそのメンバーになったような嬉しさもあるし、そういう気持ちなんじゃないかなと思いながら、まあなかなか地方なんで抱えてるアーティストもそんな多くないんですけど、それぞれが自分たちのペースでやって楽しくなってくれるのがレーベルとしても1番嬉しいかなと思いますね。
藤本:あとは2店舗目の「ゴーストノート」じゃなくて、
山内:「コート」ですね。
藤本:「ゴーストコート」も含めてスタジオライブとかで砺波市じゃなくて富山市の方だから、今度は富山市でのツアーで組たいので僕がやってるレーベルとかとも交互で行き来ができるような感じにして行きたいですね。
山内:あー、いいですね!
中川:逆にフジモっちゃんの、セイハローの今後ってのも聞かせてください。
藤本:今年はまだリリース予定もあるし、今は海外ツアーのブッキングをやってたりしますし、僕もさっき山内くんが言った様に人の活動が力になると言うか、そう言う姿を見ながら制作して楽しんでいるってのが自分のライフワークのひとつみたいになりつつあるので、また新しいタイトルに携われるって言う事が嬉しく思います。僕のとこはそんな感じですね。なのでまた皆さんには今後も色々と相談だったりお誘いだったりとかする機会はあると思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いします!それでは今回はお時間ありがとうございました。お元気で、またお会いしましょう!
一同:ありがとうございましたー!
-OFFICIAL SNS-
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